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Eighting out in Japan

上場企業の自己資本比率(日本)

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日本経済新聞によると上場企業の自己資本比率は2016年年度に40.4%に達したとのこと。

 

自己資本は資本の内、出資者から出資を受けたもの(株式等)と剰余金を合わせたものの合算で、対を成すのが他人資本(銀行からの借入金や社債)です。

 

自己資本比率自己資本の資本総量に対する割合ですね。

 

自己資本比率が高ければ、その分他人資本の割合が低いということになりますが、企業が経営危機に陥ったとき、他人資本は期日までに必ず返済しないといけない借金ですが、株式は最悪出資者が出資の限度で責任を追うという性格があるため、自己資本比率が高ければ、それだけ財務安定性があると評価されます。

 

経営危機に陥っている東芝自己資本が極端に低く、特設注意市場銘柄に指定され、株式市場からの追加資金調達で自己資本を積み上げることができず、借入金に頼らざるをえない状況となっている訳です。

 

企業の投資指標としてROE(Return On Equity)がありますが、こちらは純利益を自己資本で割った数値で、投下した自己資本に対してどれだけ純利益が出ているか指し示すもので、投資家にとっては自分が出資した株式がどれだけ効率的に利益につながっているか他の企業と相対比較するのに使われます。

 

日本経済新聞によると日本企業の2016年度のROEは8.7%で主要企業が10%を超える欧米に比べると効率が悪い状態となっておりますが、ROEを上げるには分子の純利益を上げるか、分母の自己資本を下げるしかありません。

 

欧米ではROEを上げるために積極的に配当に回したり(自己資本が上がらないようにする)、自己株式を取得して償却したり(自己資本を減らす)して、ROEを高める施策を行っていますが、個人投資家にとっても投資先のROEが上がることは歓迎したいことですので、今後も日本企業のROEには注目していきたいところです。